日本の大手、中堅の保険会社を中心に、生損保の相互乗り入れがあったときである。生保会社が損保商品を売り、損保会社が生保商品を売るようになって、現場に営業施策が下りてきたが、現場サイドとしては、従来の商品と新たに扱うようになった商品をどんなウエートづけで売っていけばよいのかという点について、上からの指示がないままに動かざるをえなかった。このような現象も、現場の声として吸い上げることができなかったが、組織診断のなかの、「経営方針に関して、自分たちの納得感はどの程度か、を五段階評価で答えてください」といった、計数把握できる調査を実施することで、より客観的に問題の所在を捉え、これの原因を探る過程で、明らかになった課題であった。こうした不満が現場にたくさんたまったまま、組織を変えるとか、プロセスを変える、といった改革を進めようとすると、うまくいかないのも無理はない。改革を上手に進めている会社では、どの人にどういうメッセージを伝えたらよいかを考え抜き、明文化した形でそれを本人に伝えている。このように、なんとなくわかった気になっている組織のいろいろな階層での人の意識をできる限り定量化して把握し、企業変革のための作戦を考えるうえでの材料にするのが、ここで述べた「組織診断」なのである。
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