同種療法、すなわち同類が同類を治療するという説に基づく治療を唱える一派は州政府に深く浸透しつつある。同種療法専門家は、治療される病気と同じ症状を引き起こす物質の、非常に希釈された分量で治療効果があると信じる。例えば、患者が鼻風邪を引いた場合、きわめて薄いタマネギ抽出液で治療されるかもしれない(もっと多量に服用すれば、鼻水の原因になるだろう)。その理論に従うと、溶液を薄くすればするほど、効果は大きくなる。もしそれが真実ならば、化学と薬理学の原理の多くに反するだろう。コネチカット、ネバダ、アリゾナの3州で同種療法に現在許可を与えている。NIHは率先して、同種療法の臨床試験に着手している。もちろん、研究を行うことは、治療法が効くかどうかつきとめるための唯一の方法ではある。しかし、大規模な検証に予算を使う前に、何か先例となる生物学的妥当性、または結果を予想するものがあるのが普通だ。つまるところ、全ての仮説を検証するのは不可能なのだ。しかし多くのオルターナティブ(代替)医療が人気を博しているという理由で、いずれにせよ検証されるだろうし、おそらく検証されるべきだ。容認とまではいかなくても、ますます寛大に受け入れられている反科学の運動に対して、一部の科学者は反撃している。1995年の夏に、グロスとレビットは、約200人の科学者、医者、人文主義者を集めてニューヨーク科学アカデミー主催による会議を開いた。科学と理性からの逃避と名づけられたその会議は反科学運動を分析し、反科学運動に論駁するために開かれたものだった。参加者は、人々が依存している科学技術と、それを創造した西欧科学の伝統を人々が拒否する矛盾について議論した。多くの参加者を最もまじめに考えさせたのは、一部で夢想的反抗と名付けられた拒絶の理論的根拠が、科学との長年の不和が十分知られている信心深い正統派キリスト教信者からではなく、自分自身を知識人と見なす学者から来ているという事実だった。会議は、その主題に関する特集ページが組まれたこと以外は、おそらくあまり影響を及ぼさなかった。反科学の運動はすでに野に放たれた馬同然だった。
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